2015/04/10
【概要】
平成26年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)
「持続可能な周産期医療体制の構築のための研究」
分担研究報告書
「産婦人科の動向と勤務医就労環境に関する研究」
分担研究者 中井章人 日本医科大学 産婦人科 教授
研究要旨
○ 平成26年3月時点で分娩施設の医師数は9,773名(男性64.3%、女性35.7%)で、平均年齢は46.0歳、中央値、90%tileはそれぞれ43歳、64歳で、50歳以下では女性が50%を超える。
○ 人口当たりの分娩施設の医師数には2倍の自治体間格差があり、臨床研修医制度導入後、その格差は5倍に拡大していた。
○ 自治体により総合・地域周産期母子医療センターが扱う分娩数とリスクには3倍以上の差があり、地域ごとにその役割が異なることが推察された。
○ 2007年と比較し、分娩施設医師数は施設平均6.3名で40%増加しているが、月当たりの当直回数は5.8回と8%の減少に止まり、推定される月間平均在院時間も300時間を上回っていた。
○ 同期間に妊娠・育児に関わる女性は2倍に増加し、分娩取扱い病院医師の20%を占め、その勤務緩和の影響で、医師数の増加による労働軽減効果が相殺され、過重労働が続いていると推察された。
○ 産婦人科医師確保には臨床研修医制度の見直しに加え、子育て中の女性医師の就労方法の見直しが必要と考えられた。
○ 持続可能な周産期医療体制整備と就労環境の改善には、全国一律の対応ではなく、地域の状況に応じた施設の大規模化や重点化(集約化)などの対応が必要と考えられた。
参照サイト
なし