2018/09/01
【概要】
【日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会共同提言】
「産婦人科医の働き方改革 宣言と提言」
日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は2018年9月1日、共同で、「産婦人科医の働き方改革 宣言と提言」を発表しました。
「産婦人科医の働き方改革 宣言」
・医師という職業は、他者のために尽くす、という意味で「聖職」であると考えます。私たち産婦人科医は、急速に進行する少子高齢化社会にあって、女性と、生まれてくるこどもたちの健康を守り、次世代を育成するという自らの果たすべき役割を決して放棄しないという決意を共有しています。
・職業としての医師には様々な働き方があります。その中で病院に勤務する医師には労働者としての側面があります。個々の医師は、患者さんが必要とすれば法令の制限を超えて働くことをためらうことはありません。しかし、病院経営者・管理者は、雇用している医師に対してそのような勤務の常態化を強いるべきではないと考えられます。
・多くの医師は長時間勤務を余儀なくされていますが、その中でも時間外勤務が最も多い診療科が産婦人科であることが多くの調査で明確になっています。産婦人科医の働き方改革の実現なくして医師の働き方改革がなしとげられないことは明らかです。
・産婦人科医は、現行の医療体制の中で患者さんの必要に応えるために、長時間勤務を行ってきました。医師の長時間勤務の是正をめざす「医師の働き方改革」を産婦人科領域で実現し、勤務時間を削減するためは、医療体制自体の変革すなわち「医療改革」が必要不可欠であると考えられます。
・私たち産婦人科医は、自らの働き方改革を、医療改革を通じて実現していくことを宣言し、そのための具体的提言を行います。
提言「医療改革を通じて働き方改革を実現させましょう」
産婦人科医は、働き方改革の実現のため、以下の施策の推進を提案します。
・地域の公的な分娩取扱病院の大規模化・重点化の推進と産科診療所等との連携の強化
・年間500名以上の新規産婦人科専攻医の実現
・産科診療における高水準のチーム医療の推進
・産婦人科女性医師の継続的就労支援
・上記諸施策を妊産婦の負担増なく実現するための出産育児一時金の引き上げ
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